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第8回高度社会基盤研究フォーラム開催

第8回高度社会基盤研究フォーラムが開催されました。

−2003年7月11日に終了しました−

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パネルディスカッション

場所:東京商船大学 越中島講堂 / 日時:平成15年7月11日

司会: 今日のテーマは「日本の高度情報化社会と測位インフラのあり方」、それから「位置情報とは?」ということであり、先ほどの松王先生のお話で、我々、技術以外にも、この高度測位インフラの与える影響に大きな可能性を感じた。

今日のパネルディスカッションは3部作になっている。

・ テーマ1「背景目的 −何故、今、高度測位社会基盤なのか。今、そこにある期待と問いは何か−」

・ テーマ2「将来の目標」ということで「−高度測位社会基盤によって何が出来るのか、何が変わるのか−」

・ テーマ3「アクションロードマップ −その為に誰がいつまでになにをなすべきなのか−」

村井: 情報の社会というのが訪れてきて、この情報の空間が、私たちの身の回りの知的な作業をする、あるいはグローバルなインターネット等に結ばれて、グローバルになってきている。それから、料金が下がってきた側面が出てきている。そうなってくると、今度は、利用の自由度とかそれからのその守備範囲っていうのが非常に変化し、グラニアリティが変わってくる。つまり、非常に多くの情報を自由に使い得る環境が、値段が安く利用できることは、いろいろな人がいろいろな目的で使えることで、これ相当意味が変わってくると思う。そういう前提の中で、デジタル情報に換算できるならば、これに関する知識、情報の自由な共有と交換ができる基盤を作ること=このIT社会の基盤作りだったことを意味する。デジタル、つまり、数値化出来るっていうのは、早い話が位置情報は、数値だし、それからこの中身(ペットボトル)も数値だし、この温度も数値だし、それからこの色々な成分も数値である。つまり、我々がありとあらゆる情報、それから知識、そいつを知的に捕らえて何をするか。そのことは全ての分野に効いてくる。そういう意味で基盤性っていうのは非常に重要になる。それで、本当の基盤性、つまりあらゆる人間の活動、あらゆる分野、ここに貢献するのが基盤ということになる。

 さて、それでもうひとつ、デジタル情報がこんな自由にやり取りできて共有できるというのは、どういうものなのかっていう科学の背景ついてだが、これはインターネットみたいのがあって、コンピューターみたいのがあったら、なんか出来るのか、ということからはじまった。コンピューターというのは、そこで出来ることは、始めは限られていましたけれども、携帯電話から始まってそこにデジタルカメラみたいなもんが出てきた。それで、ビデオもデジタルになりました。音楽ももちろんデジタルになった。そして、全然違う使い方が、産業の構造まで変えている。CDを買って音楽を聴いてた。これがデジタル音楽の最初だけど、それを今はオンラインイメージで買う、やり取りする、というようにデジタルフォーマットに対する我々の扱いっていうことは、あらゆるメディアに関して、変わってきた、というこういう背景がある。そういう物が流通して、あるいは共有していくっていうことが、もう現実のものになったってことは、これは電子メールや掲示板で匿名で何々してましたっていうインターネットはもう全然違う世界だと考えたほうがいい。つまり、現実性が出てきたということだ。これはリアルスペースにデジタルテクノロジーを入れたことであって、20世紀のインターネットは、リアルスペースとは別の仮想空間の中でデジタル情報使って作っていた空間、ここで我々は色々なことを学んだわけだけれども、21世紀は、我々が生きているこの空間にこのデジタル情報の流通して、共有する空間を作るということになってきた。そうなってくると、さてこれをフィックスした考えとは何だ、という話がなると、その時にさっきの時間、時刻、それから、この位置が、ものすごく重要な要素に、複雑な要素になる。この2つの要素は大変重要なバインディング要素だ。そうすると、これらをどう扱うかが、非常に重要なことであり、日本は世界で初めて位置を知る権利、これをみんなに提供できる、こういうようなことで考えた時に私たちは新しいこの情報社会のパラダイムを考えていくことが出来るんじゃないかということをIT戦略本部の中で情報空間の未来を定義するときに繰り返し言っている。ただ今度のIT戦略の中でも、電子株関係、それからITS関係、GIS関係、GPS関係、そういった中のトレーサビリティ関係とあらゆるところでこれらの技術を背景としているところがあり、それで今度の戦略は、利用、利活用の為にどういう基盤がいるのか、その中に先ほどの位置を知る権利みたいなことがある。それで、それに基づいて今、パブリックコメントで各省庁で、こうするというものがでていますんで、よく皆さん見ていただいてですね、それで各省庁は本当にこれで十分なの、これでいいのかって、どんどん皆さん、ご意見言った方がいいと思います。いづれにせよ、そういった背景で、私はこの社会の中でのこの位置情報測位基盤は、、本当の基盤としての宣誓、21世紀の情報社会に対する厳しい責任、わが国の先端性や、技術の状況からみて、モバイルコミュニケーションは日本は強いし、日本人もそれを受け入れている。つまり、世界に対する責任があると思う。この3点が非常に重要なことかなと、私は思う。

安田: 技術はどうなっているかというと、携帯電話にGPSが載って、数百万、1千万台近くのGPS携帯が世の中に出てきている。でも、やはり精度が良くないなど色々な問題があり、技術開発がすすんでいく。これからお持ちになる携帯電話に測位機能があって、それが例えばどこにいても数メートルの精度っていうことになってくると、先ほどの村井先生のお話ではないですけれど、一応正確な位置を常に与えられ、誰かそれを見ているということになる。これから日本でもMSASとか準天頂衛星とかっていうのが上がって、非常に高精度な測位が容易にやられるような環境がこれから出てくるだろうということが予想される。たとえば、船の世界だと、AIASというのがあって、数百トン以上の船は、自分が何者で何処に行こうとして何処の位置にいるということを常に放送しながら走るということが義務付けられていて、遠からず、プレジャーボートでもそういう機能を持たせたい、考え方も出てくる。それと同じように携帯電話で自分は何者で何処へ行こうとしているか、ということを放送しながら歩かないと、不審者だみたいなプライバシーを犠牲にしてまでも、そういうことをやりたい、やれる技術開発が、そういう方向に進みつつあるのかなという気がしている。私のイメージとしては1度リセットかけて、爆発物持っている人ももっていない人もとにかく当面プライバシーを犠牲にして、世界中の人にどんな人間かってことを報告する。そうでないと今のイラクとかチェチェンとかで検問してて相手が自爆テロするっていったら、相手の人も一緒に死んでしまうわけで、現場の人としてみれば大変なことだと思う。そういう意味でそういう武器とかを全て洗い出すようなそういうリセットをかける機会が、世界的に欲しいなっていう気がする。その為には今言った測位技術の改善、改良といったものが必要になってくると思う。先に言った意見は私の勝手な意見だけれども、そのような時に何時でも応えられる技術開発というのがこれからやっていく必要があるかなって感じがしている。

中嶋: 先ほどの松王先生の講演にもそういう世界に向けての技術開発が必要であるとあった。さらにこのテーマ1では世界の技術動向の中で日本がどういう位置にあって日本の強みは、あるいはどんな国際競争力があるのだろうか、どういうところを攻めていけばよいのだろうかというような課題もある。杉本先生のご意見は?

杉本: 恐らく日本で1番考えなければいけないことは、衛星の打ち上げや放送技術は問題ないとして、1番肝心な論点はアメリカのGPS、それからヨーロッパ連合のガリレオ、に対して、日本の3つの衛星をどういう立場におくのか、という議論になる。いわばアメリカの奴隷衛星を飛ばすつもりなのか、日本にしか使えない形にしておくのか、いうようなこと。アメリカの場合は、軍事目的でスタートして、自分達に都合の良いとき使えるようなシステムになっている。日本が、3つ飛ばすときにそういうことを考えて飛ばすのか、ただ民生用だけで今のCAコード+αの形にするのか、そこのコンセンサスをきちっと議論してから、3つの衛星の軌道をどういう風に飛ばすのかに絡んでくる。ただ、測位だけを考えて飛ばすのか、もう少し、あの例えば極端な例だが、北朝鮮の問題もあるだろうし、非常時にこの衛星を役立たせるようなことなどもちゃんと構想に入れて、軌道を考えるべき。それから、1番知恵を絞るところはコード(C/Aコード、Pコード)をどうするのか、ということになる。受信機を作られた方はご存知だろうが、非常にややこしいコードが考えられている。いわゆるMコードに相当するようなもんをダブルで掛け算さして、しかもフェーズシフトキーなどと・・・こういうことをアメリカが1974年ぐらいに考えのだろうが、どういう意味で考えているかということをまず考えないと駄目だ思う。コードをどうするかいうのは、僕は1番知恵を絞るところであって、ただアメリカの真似をして、そのままお願いして作って貰うのは駄目だ。コードをどうするか、ということに関して日本人は立ち遅れているが、これからガリレオはどういうコードを使うのか、ということを真剣に考えなければならない。あるいは色々新衛星とかガリレオのプランなどをいろんな機会に聞くけども、もうころころ変わってる。周波数をどういう風にするかいうことも非常に変わっているようで、彼らは何でこんな簡単に決めないのかということを考えたら、この重要性が分かると思う。GPSというのは、アンテナだけでも、既存の非常にグローバルな技術が必要とする。だから結論を言うと、コードのところは知恵だけの勝負だから、日本人の知恵を結集して、こういうコードにしたら後々にいいと、アメリカのコードをただ真似するのではない、他でないようなシステムをこのグループだけでなく、もう少し防衛庁なんかのグループも入っていくようなことも考えたら如何かと思う。

今江: 通総研っていうのは、今日の立場としましては時間周波数標準責任もつ研究機関ということで、時間・時刻に関するところに責任を持つところである。最近、標準電波という形で時刻情報というか周波数標準を日本全国に配信している。これもやはり使っていただいて、はじめて社会のインフラという基盤情報を、基準になる時刻情報として作りだしていることになる。

 通総研も準天頂衛星の測位における時刻標準・時間標準の時刻系に関して関与している。私自身も日米のGPS協議のテクニカルワーキンググループの一員として参加しているが、現状ではやはり、GPSの補強・補完というのがメインな測位における位置づけになり、GPSに協調し、互換性等々を保たないと、QZSSだけで測位ができる訳ではないという側面もある。GPSと組み合わせて、ということになっているので、米国フォローで行かざるを得ない部分もあるのも確かである。その中で「単にGPSが1個増えたね。」では、インパクトは十分とは言い難く、QZSSを使って、より新しい独自の特徴を活かしたサービスを模索していきたいと考えている。

中嶋: 衛星技術に関しまして、飯沼様のほうから新衛星ビジネスでは、「何故、高度測位社会基盤なのか」あわせまして、テーマ2の「高度測位社会基盤において何ができるのか、何が関わるのか」ここら辺に関して、ご意見をお伺いしたい。

飯沼: 私ども民間では、やはりGPSを補完して従来のGPSよりもっと高精度な測位情報を適用する、提供するということを切れ目の無い準天頂を使った機能を用いて、放送し通信する、ということが今必要になっている。その背景としては米国GPSの近代化が2010年から2011年にかけて行われる、ガリレオが2011年前後に運行する、グロナスが計画されてる、中国が北斗を打ち上げたと、日本のみ、自分たちの独自の技術を確立させずに進むのではなく、やはり技術の基盤の仕掛け作って然るべきだ、という意味で世界的に新しい測位技術が出てくるということに対応したものをしっかり作り上げていきたい、という気持ちを持っている。その様な背景があり、測位ということに関しましてどの程度の精度が上がるんだと一般の数mということではなくてどの辺まで上がるんだと今、地上でもって実証実験をやっている。今、各種の応用につきまして、各業界業界と話をしながら実際に使えるのか、使えるとしても一体どんなアプリケーションが出てくるのか、ということを詰めている。2007年8月から第1号機を上げるが、2号機、3号機をその後、約9ヶ月の間にもっと打ち上げたいと思っている。それまでまだ数年あるので、実証実験を繰り返しながら確実な精度の向上を確認した上で、それを前提とした新しい産業社会ができることを挑戦したいと願っている。

篠原: まず、今不景気だということ。不景気というのは、お金を持っている人はお金を使わない、逆に使いたがらない、サービスが出てこない、こういうことだと思う。とりわけお金をもっている高齢者の方が欲しいサービスがないというのが大きな原因だ。調査すると、安全・安心・教育・健康といった部分にニーズが非常に高い。そういったところのサービスをやろうと思ったときに、恐らくこの測位サービスが非常に重要な働きを示すと考える。私事で大変恐縮なんですけども、私の母は85歳になるが、非常に元気で、車で山に行ったりしているが、カーナビを搭載しているので、どこに行っても帰ってこれる、それから、携帯電話を使えば家につながる、というように非常に安心ですよね。こんな情景は他国にないと思う。村井先生がおっしゃったように、個人モバイルを含めた技量の部分も含めて、日本は恐らく最先端であり、我々ユビキタスの産業の研究家として、色々なサーベイをしたが、こういう分野が出てくると、例えば、1997年ベースで見た場合の2005年の産業年間表の生産ベースで57兆円ぐらいの+2.2%ぐらいの効果があるという研究結果もでている。そのときに一番大きく占めるものはやはりサービス。むしろ減るものもあります。生産業ではコンピューターの生産↓。サービス、リースレンタル、高機能部品、こういうのが増える。で、サービスの問題で言うと、アメリカでサービス業と製造業の逆転が起こったのが82年頃。アメリカは80年の最初、不景気で非常に苦しみました。賃金格差の増大。NASA等から、技術が市場にでてきて、ハイテクベンチャーがたくさん出てきた。▲▲瓮螢は移民が多く、先の低賃金労働を支えた。日本での失業状況を鑑みると、それは許されないため、日本のサービス業は新しい機械、装置を使って、新しいタイプのサービス(測位のサービスを含めた)を作っていく必要がある。 こういったことが、村井先生のご提案の真意だと思うし、ぜひ、やっていく必要があると思う。

松王: 村井先生の公演の中に、自分の位置を知る権利を主張していくというご主張でしたが、その部分に関してもう少し詳しく教えていただきたい。

村井: 位置を知る権利があるというモットーで整備を進めて基盤を進めていきたい。例えば、今のGPSの話から始まっていて、影があると急に位置を取れなくなるわけですが、建設の方に、「日照権のように、なにか代わりに提供してくれない?」と伺ったところ、「かまわないよ。」というお返事を頂戴した。そういうコンセプトで国土のどこにいても分け隔てなく、受信ができるような技術を網羅的に検討していこうというある指標として技術者側から出てきた話という風にご理解いただいていいと思います。

松王: そうすると、公平なサービスのために、権利を主張している、そういう考え方ということですね。通常、権利主張という場合には、自分の何かを守るってことで、今の話ですけれども、そういう中に私が先ほど申しましたような解決の糸口があるのかなという思う。そういう一つなにか自分の何かもともとあるものを守っていくっていうそういう側面っていうのを併せて権利、議論の中で出てきてもいいんじゃないか、と思う。ただ、その権利っていうのは、随分伸縮性があって、その権利の主張だけでは何も変わらないと思われるので、権利主張の話ってことと、何か権利を保障するシステム作りっていうか、そういったものを技術的に平行して行ってくことが必要。

中嶋: このフォーラムがどういうミッションを負って進んでいかなければならないか、ということに関連している。今までお話にあったような、誰がこう実現するために、誰が(国が、企業が、個人が)何時までに何をなすべきなのか。今の現状と将来のギャップは何か。戦略的にすすめる場合には何に着目しなければいけないのか。攻略点は。コラボレーションをどういう形で行うのか。既に存在する人の連携は・・・

 これに関しまして、中々難しい課題ですけど、それぞれの意見を聞かしてもらえるとまた、それぞれ発想が広がるのではないかと思う。

飯沼: 私どものロードマップは、準天頂システムを2008年に焦点おいて構築すること→逆算すると2005年頃から衛星の調達、地上系のインフラの調達を始めなくてはいけない。逆に言って、その前の測位というものが国の測位の補完というものが、国のインフラの一部だと言う認識を、まず確実なものにして、その上で研究開発を相応に負担していただくということを、まずきっちり確保することを始めている。それをより確実なものにしていく。特に研究開発の段階は良いのだが、実用に移していったときに、民間だけで測位のを補完・運用ができるかというと、国民全体にかかるものだから、そうは行かないだろう。ということで、国が運用を、私共に委託していただくということ、運用は国が責任もってやる、担当省庁はどこかということを確認する必要があり、それを、この1年から2年以内に決めていただかないとインフラの整備が遅れる。当フォーラムを通して、知る権利ということから初めて、測位は国のインフラであるという世論を作り上げていただきたい。それが通れば、後は物作りですから、なんとか動くと思う。

村井: いくつかの部分は確かにその通りだと思うが、私もそう言った犯人であり、そういう国の施策の中で、そういうことを考えていく、理解をしていくっていうのは非常に大切なことだと思う。問題は理解をするプロセス作りだと思う。国に何かをやってもらうのに、2つの点に気をつけなくてはいけない。〃貔任任笋襪里。多分そうじゃない。とすると、なにがどういうパワーになるかキチンと作り出さなくてはいけない。そのプロセスをつくるっていうことをおっしゃったんだと思う。それが大変重要な問題。△修譴魎泙瓩襪函∩躇佞覆鵑世ら、やってよ、といって、多分これ準天頂衛星もそうですし、そのほかのインフラも非常に厳しいですけど、私は、マーケット、民間をどうやって動かせるのか、このマーケットの掘り起こしが主だと思う。つまり、よく言う、民主導だと思う。ただ、民主導というのは民任せじゃ無いので、従ってその為の理解があって、その官の非常に重要な後押しがいるんだろう、あるいは本当にその方向性があるんなら本当に1年間で、その時まではこれをしっかりやるぞ、っていうポリシーが、その為の段階みたいのがあると思う。そうだとすると、今、総合技術会議も、それからIT戦略本部も、この準天頂衛星に対する期待とその文言っていうのは必ず取り入れるような意思があるようだけれども、やはりそれは一方では、そのことに対して、まぁ、そこは少し、私たち専門家は、仮だと思ったほうがいい。つまり、今の段階で意思決定ができるだけに十分なマーケットが見えているかとか、使い道がどうか、さっきの国際競争力の問題であるとか、そういうとこの説得が十分できているかというとそうでもなく、上手に説得して今の段階にきているということがあるんだと思う。これは、本質的な話をしているのではなく、国全体でなにかやろうといったときに、専門分野のみならず、私たち専門家の一番やらなくてはいけないことは社会に対する説得である。

飯沼: このマーケティングというか、これをつかって何ができるのか、ということは、昨年度の総合科学技術会議のときにはっきりしており、それは民の責任できっちりやりなさい、とも言われていて、そのための説得のプロセスにおいてもそこに書いてある。民間の事案の合意をきちっと得るように、ということも書いてある。ここのところを何もせずに、全部国にまかせてというつもりはまったくない。

 我々民間の役割として、どんな使い方ができるのか、という点をまだまだ継続的にどんどんつめていかなくてはならない、その詰めた結果をさらに新しい使い方を生み出していくという効果を期待して私共が中心になっていきたいと思っている。

 世論作り、そういう使い方をできるという具体的な素地をフォーラムや民間の各業界の皆様方と進めて確かに役に立つ仕組みなんだな、ということを各自のものにしていくというのはプロセスとして非常に重要だと思う。

今江: 今現在の準天頂の測位ミッションに関しまして、国の研究機関が分担して研究開発ということで構築しようとしている。ただ研究機関なので、そのあとの継続的な運用に関しては難しいところであり、実験段階の3年間くらいは国・研究機関が面倒を見るような形では構想されているとは思うが、その後どこが面倒を見るのかという点が私自身の理解としてはまだきまっていないようである。 私自身思うのは、これだけの税金をかけてつくるものに対して、個人的には3年間の研究開発だけで国が手を引いていいとは認識していない。通総研全体から言うと、研究者が定常業務的な仕事を継続的に行うことは難しい面があり、評価方法や継続的に行う仕組みを考えないといけないと思う。ただし、通総研の責任のあるところである時間・自転に絡んだところは、連続的かつ継続的に通総研が責任をもたなくてはいけないのでは?と認識している。私自身研究の為だけではなく、将来的にも責任をもてる形にしたいという意識で動いている。準天頂で何ができるの?という点ではGPSへのアペンドで存在し、GPSには無いサービスを提供することによって付加価値を実現しマーケットを提供できれば、国が税金を投入して運営しても非難されることなく、逆に率先してやるべきことになるだろうなと考えている。そのための技術的確認や素案作りが重要だと考える。

篠原: 準天頂の仕組みが例となることは間違いない。ただ一方で新しいタイプの測位が出てくる可能性は十分ある。一方、コンシューマは金に厳しい。これらを考えた上での非常に厳しい責任がインフラにはあろうと思う。つまりできるだけ民間の力を入れて、政治の先に創り出すことを常に考えながらやる仕組みがどうしても必要で、そこを是非とも考えていかなくてはならない。もうひとつ、松王先生のいろんな多外活動の労力は非常に重要だ。社会学者を含めて、こういったことを考える方々はいる。たとえばOECDのパラデクスの発言をするとある。パラデクスの中に明かに測位のデータは入っているはず。そういうことに対してどういうものを作っていったらいいかの発信をむしろ、是非日本として作りだし、世界に対して発言していく必要があると思う。

 是非そういったこともやっていく必要がある。

中嶋: 「最後のテーマとして、誰がいつまでに、ご自身がどういったことをやっていくか、という点について」

杉本: これまでの話を聞いていて、商品をどうするとか日本のITをどうすると話が大きいが、私の今、考えているのは、準天頂衛星があがると単純に衛星数が増えるから精度は上がるのは確か。しかしGalileo衛星が飛び始めると、空一杯の衛星(の世界)になる。しかしこういったプロジェクトは、測位だけのことを考えるのではなく、先日聞いた話では、日本がスパイ衛星をあげたが、思ったほど精度が上がらなかった。これはおそらく、合成開口レーダーのソフトのところが日本人誰もわからなかった、つまり適当に買って使ったのではないか、と。GPSもアルゴリズムの点はほんとに日本は弱い。ほとんどアメリカ産。いわゆる数学が弱い。合成開口レーダーもそう。私この点は素人ですが調べてみたら、ソフトのところが日本人にほとんど解かっている人がいない。アメリカの方は地中に打ったレーダーをサーと呼ぶが、マイグレーションを専門にやっているメーカーがある。GPSもソフトウェアの点が弱く、この点をなんとかしなければいけない。言いたいことは、衛星をただ測位だけで使うのはもったいない気がする。アメリカが優れている”飛ばす”という発想はいままで交渉してこられた方々から言うとどうなっているかわからないが、これをきっかけとして日本の技術水準を上げるという側面を持たさなければならない。

 そうなるとやはりコード。なぜアメリカこういう周波数帯とコードを用いているのかをはっきり把握させることが重要。物の面では日本の技術では問題ないと思う。目的を明確にして、民営化でないとダメでないかと思う。このことを飛ばしてこれに受かる受信機を値段を高くしてお金をとるのは無理だと思う。目的と付加価値をつけた衛星にしなければ、単にGPS衛星が1個増えたというところに収まってしまう。

安田: QZSSは通信機能ももっているが、杉本先生の奴隷衛星という指摘について、残念ながら当面はそうなってしまうとは思う。この点ではこのQZSSは演習問題として、技術レベルを向上させ、次世代(10〜20年先)の測位システムを考えていくべき。GPS(Galileo)もいつまでも無料で使用できるとは限らない問題がある。

 日本独自の衛星として、補正データの放送や、さらに静止衛星との組み合わせでQZSSを用いて測位ができるシステムなど、2008年にこだわらず、その先々をみて新しい測位システムおよびコードを研究・検討していくべき。精度2cm、2mmという話が実証に先行して進んでいるが、本当に実現できるかは慎重にすすめていくべき。

松王: 新しいマーケットをつくっていくという点は大変重要。一般の技術開発に携わっている人達に情報格差が生まれてしまう。このとき本当のPublic Involvementが求められる。本当の意味でのAccountabilityがはたせる形でのPublic Involvementが理解されていくと非常に喜ばしい。

村井: 予想どおり、非常に多角的な側面をもっている。先端的な技術に対するこだわりや、Public Involvementという社会としての新しい展開という点でいろいろな課題がある。いろいろな守備範囲の方々が集まってこのような情報交換をしていくなかでProgressができてくると思う。こういった形のCommunityが作られるプロセスとして貴重であり、その結果として大変貴重なテクノロジーとしてのポテンシャルをもつことになる。世界に対しての大きな貢献ということを軸に考えれば、そういったことがひとつになってこういった形ですすめられるのでは、と大変心強い。

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