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第11回高度社会基盤研究フォーラム開催

第11回高度社会基盤研究フォーラムが開催されました。

−2004年8月20日に終了しました。−

屋内測位社会基盤をテーマにした技術紹介、活発な意見交換が行われました。

 同日、「技術者のためのGPS測位の基礎」チュートリアルが開催され、

 現在、ソフトウェアGPSの開発をメインに活躍しております、東京大学
空間情報科学研究センター 博士研究員のマナンダーデイネス氏を講師に招き、
「GPS Signal Processing for Software Receiver Design」と題して
ご講演いただきました。

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パネルディスカッション

場所:東京海洋大学 越中島会館講堂 / 日時:平成16年8月20日

テーマ: 屋内測位社会基盤構築の重要性について

中嶋: 「ケイタイの測位機能の普及予測」と題して。
 測位機能つき携帯電話としては、GPS つき携帯とPHS 携帯電話がある。GPS 携帯は屋外、 一方PHS 携帯は屋内でもつかえるが、測位精度が悪い。それではこれから携帯電話はどう なるか?これからのアプリケーションとしては、TV 電話・電子マネー・セキュリティ・エ ンターテイメント・エージェント・ナビゲーションなどが考えられるが、すべて測位機能 が必要と考えられる。たとえばセキュリティ関係での測位情報の応用として、行方不明者 の探索・アリバイなど。これからの重要な要求としては、「屋内外測位・小型・低消費電力・ 低コスト」の条件である。

中川: 「携帯電話の緊急通報と屋内位置検出」と題して。
 最近の緊急通報は約60%が移動端末から。これは通報をうける側から見れば場所の特定が しにくいやっかいなものという印象がある。屋外であればGPS をつかうことである程度の 精度の測位結果を期待できる。屋内では赤外線などの方法(ビル名、階数、部屋番号)が ある。これらにたとえばLED などで携帯電話をかざすと翻訳できるなどの機能が追加され ればビジネスチャンスもうまれてくると考えられる。

柴崎: 「日本の測位インフラのあり方と屋内測位」と題して。
 社会インフラとはみんなに利益があり、みんなでお金を負担できるもの。しかしインフラ はこの側面ばかりではない。屋内測位をインフラにするには、ビジネスモデル側からの用 件をみた技術開発の対象からみて見とおしのよいものがよい。まず大多数の人が余計な初 期投資をなしにすぐ使えるもの(おさいふ携帯・カメラつき携帯)などである。もうひと つは、お金がかかるならそれを負担できるもの、たとえば衛星ならGPS のような測位機能 のほか、通信に課金する仕掛けをつくれる。屋内測位という言いかたでは、どこでも同精 度が要求されるわけでもなく、たとえば危険ヶ所などでのみ高精度が要求される。ほか、 もうひとつはメンテナンスをしてくれるという点。
 つぎに使い方の開発も重要である。それが使えないと本人ばかりか周りの人が困るもので はマズイ。インフラとしてたとえば照明をつかう方法。非常に魅力的ではあるがすぐには 難しい。そのなかでたとえば誘導灯は双方向に位置確認手段として有効に使える。誘導灯 にRFID やカメラをつけるなどの方法も有効である。ほか無線LAN など、検討すべき手段 がまだある。

砂原: 「Dependable Internet」と題して。
 これまでの通信基盤は専用のインフラがあって、それのサービスをつくるという作り方を してきた。そういうなかでもっと広げることとして、電話がインターネットにのってきた というのが次世代インターネットの大きな変革である。さてDependable Internet でひと つ障害になる点として、Best Effort の誤解がある。Best Effort だからDependable が実現できる。インターネットと位置情報の関係として、インターネットは仮想空間でのやりと りとよく考えられているが、これを実空間でのセンスを感じられる、つまりここはどこ、 私は誰を重要なキーワードとしてやりとりできるようにしなければならない。この点で位 置情報とプライバシー、セキュリティは一緒に動いていかなくてはならない。以上のまと めとして、位置情報には「ユビキタス」「位置情報を教えてほしいものとの対応づけ」「「ア プリケーションと位置インフラとの関係」「セキュリティ」「標準化」「アーキテクチャ」の 項目を検討していかなくてはならない。

菅野: 「ロボットの普及と屋内測位社会基盤との関係」と題して。
 現在いろいろなロボットが試作されているが、産業になるか、実際作業ができていない。 現在の生活支援のロボットの技術課題として、作業性・環境適応から考えると、位置と姿 勢の変化、作業対象物との位置関係、mm 単位のポジショニング(ジャイロ・カメラ・GPS・ タグの検討)の問題がある。まとめとして、生活支援ロボットのサービスに移動は不可欠 であり、絶対位置・姿勢と相対位置のコンビネーションが必要であり、標準インフラとし てGPS やタグへの期待が大きい。

植原: 「屋内即位社会基盤と位置情報の取扱い」と題して。
 現在のネットワーク社会では位置情報とオブジェクトの関係が非常に重要である。現在の 測位方式として、GPS のような自分で位置のわかるものと、対象から見て相対的に位置の わかるものの2 種類がある。いずれにしてもそれぞれが同調して操作・制御することは可 能である。ところで現在屋外での位置測位は、GPS が主流となっており、GPS にあった測 位系でインフラが整備されつつある。一方で屋内測位は、決定的なソリューションはない。 また屋内で無理に緯度経度であらわす必要もない。またさまざまな屋内測位技術が存在す るが、測位インフラ整備の難しさもある。緯度経度の欠点として、位置表現が直感的では なく、座標系が複数存在することがあげられる。まとめとして「地図などのインフラ」と 「測位技術」の両方からの整備が重要であり、位置表現はコミュニケーションのツールな のでプロトコルとして普及が重要である点があげられる。

安田: それでは「屋内測位社会基盤構築の課題」として討論しましょう。

砂原: 屋内基盤の構築として、基本的に屋内・部屋のなかはプライベートスペースである。 人のもちものである位置情報インフラをみんなで利用する社会的なコンセンサス、プライ バシーの技術的な構築、インフラのメンテナンスを検討しなくてはならない。

中川: ほかの分野でもある。セルラーは広くユーザーをあつめ高速にやる一方、アドホッ ク・無線LAN のようなものもないとエリアが拡大できず、高速ダウンロードの要求も満た せない。つまりアドホック的なプライベートなものと、公的なものと境をどうするか問題になる。位置特定の話もここをないがしろにはできない。ビルを設計している人に質問を しました。ビルの設計に位置情報は必要か聞いたところ、お客さんの流れ、管理人の動き、 ビルをどのように使っているか、などの点で非常に重要とのことであった。ビルメンテナ ンスのコスト削減の点でも位置情報が重要になる。

中嶋: 普及を考える上で携帯電話やインターネットのように、国が努力しなくても普及す るよい例。位置情報の普及にはまず標準化という点とあわせて、使えるものを使っていく という視点も必要とも考えられる。

安田: GPS だけでなく、屋内測位についても新しいシステムの開発が必要だろう。

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